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2026(R8).3.28(土)

3月28日「すべては志」

頭が悪いから勉強が出来ぬなどと考えることが間違いで、志が一度立てば、頭の悪いことぐらい問題ではないのであります。
昔から立派な仕事を成し遂げた人で頭の悪い人が随分おります。なまじっか頭が良いと、却って安心して怠け者になったり、脱線したりする場合が多い。頭の悪い者が努力して、勉強して、たたき上げたというのは立派なものであります。
書でも、書才というか器用な人の書は、筆先でごまかすために軽薄なものが多い。しかし才能のないものが一所懸命習いこんだ字というものは、 何とも言いようのない味を持っております。

「風流-人生の有情-」

貪にして客を享(もてな)すに能(あた)はず
しかも客を好む

老いて世に狗(したが)ふ能はず
しかも世に維(つな)がるるを好む

窮して書を買う能はず
しかも奇書を好む
(酔古堂剣掃)

人間味というものは案外矛盾のなかにあるものである。
貧乏で客を歓待するだけの余裕がない、しかも客が好きである。
やたらにお客を引っ張りこんでくる。
奥さんが渋面を作っている-なんていうのは男の一つの味だ。

老いてますます頑固で当世に遭わぬ。しかその世間がいちいち
癪(しゃく)の種である。世の中を癪に障(さ)えながら
世の中に維(つな)がれている。

貧窮して本が買えない。しかし珍しい本が好きだ。

こういうのは人世の有情である。
天地有情である。この矛盾のごときところに人間の旨味がある。

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