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2025(R7).9.28(日)

9月28日「十多の説――道教

道教の方に十多の説がある。

一、思多ければ神(こころ)怠る。

二、念多ければ志散る。

三、欲多ければ智損ず。

四、事多ければ形疲る。

五、語多ければ気傷(やぶ)る。べらべらしゃべるのは気が散るものであることは誰もよく気がつく。

六、笑多ければ臓損ず。これは一寸意外に思う人が多いであろう。笑うことは気持ちが好いから内蔵の為に良いと思えるが、此処(ここ)はくだらぬことにへたへた笑う意味であるから、
締め括(くく)りがない。臓は含蓄力であるから、ひきしまらぬのは悪い。

七、愁多ければ心懾(おそ)る。

八、楽多ければ意溢る。

九、喜多ければ志昏(くら)し。

十、怒多ければ百脈定まらず。

九など一寸誰も気がつかぬことで、なかなかきびしい。玩味(がんみ)するとなかなか味がある。

「風流-人生の有情-」

貪にして客を享(もてな)すに能(あた)はず
しかも客を好む

老いて世に狗(したが)ふ能はず
しかも世に維(つな)がるるを好む

窮して書を買う能はず
しかも奇書を好む
(酔古堂剣掃)

人間味というものは案外矛盾のなかにあるものである。
貧乏で客を歓待するだけの余裕がない、しかも客が好きである。
やたらにお客を引っ張りこんでくる。
奥さんが渋面を作っている-なんていうのは男の一つの味だ。

老いてますます頑固で当世に遭わぬ。しかその世間がいちいち
癪(しゃく)の種である。世の中を癪に障(さ)えながら
世の中に維(つな)がれている。

貧窮して本が買えない。しかし珍しい本が好きだ。

こういうのは人世の有情である。
天地有情である。この矛盾のごときところに人間の旨味がある。

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